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![]() 「高知じゃないみたい」新駅舎に期待の声
2008年2月26日付・夕刊
地上八メートルの真新しいプラットホームから一番列車が滑りだした。二十六日朝、三十七年の歳月を要した高知市中心部の鉄道高架が開通し、三代目の高知駅舎も開業した。高架上の列車から街並みを見下ろした後、大屋根の新駅舎に降り立った乗客は、「高知じゃないみたい」。渋滞が緩和された旧踏切下では通行するドライバーが頭上をゆく列車を見上げ、「やっぱり、流れが違う」と感心していた。 二十六日開業した新高知駅。小雨の中、夜通しで鉄道ファンら約十五人がコンコースのシャッターが開くのを待ちかまえた。 【写真】通学の中高生らでひしめく自動改札口 前日から順番待ち北口の先頭にいたのは高知市神田の呉田辰利さん(75)。二十五日に電動車いすで約一時間かけて新高知駅まで来て、同日午後二時半ごろから並んだ。「風邪ひいちゅうけんど、どうしても一番切符がほしゅうて」。上着を五枚、ズボンを三枚はき、ビスケットとおかきを食べ、夜通しトイレを我慢して並んだ。 午前五時十分ごろ、シャッターが上がると呉田さんを先頭に、みんなが「みどりの窓口」や券売機に直行。「記念ですから」と入場券をまとめ買いし、十分間で百二十枚が売れた。 午前六時。アンパンマンが描かれた一番列車「南風2号」(三両編成)が五、六十人を乗せて出発。鉄道ファンや報道関係者がカメラを構え、駅員や作業員たちが拍手で送り出した。 土佐一宮駅を午前六時二十分に発車する列車で撮影に来た女性(67)は「見慣れた風景が下に見えた。新しい駅舎もすてき。よその町に来たよう。駅の写真を撮って帰ります」。 高知市江陽町から須崎市へ通勤途中の女性(50)は「自宅が線路の近く。今までは列車が近づいたら光が入って分かったが、今朝は音も静か。走りゆうか心配になりました」と話した。 ホームには暖房の入ったガラス張りの待合室ができ、中に座った人は「暖かくていいですねえ」とほっとした笑顔。 笑っちゃった午前七時を回ると、通学、通勤の学生や会社員らが続々ホームに降り立ち、きょろきょろ周囲を確かめながらエスカレーターや階段へ。 自動改札機には駅員らが張り付き、「本日から自動改札が導入されていまぁす」「お手元に乗車券を」と呼び掛け、改札機メーカーの関係者十数人も見守った。 「自動改札の通り方を車内アナウンスしてて、笑っちゃった」とは、東京から大きなリュックを担いで四国旅行中の大学生五人組。「東京じゃ当たり前すぎて。でも、手渡しの改札ってあいさつとか人のふれ合いがあった。さみしい気もする」 二カ月に一度、高知赤十字病院に通っている須崎市の男性(81)はつえをつき、自動改札に戸惑いながらも「ようなりましたなあ。年寄りは階段上らんでようなったのがうれしいね」と、足をさすった。 高くて怖かった「高架が高くて、ちょっと怖かった」とは土佐山田から乗った高校一年の高芝礼美さん(16)。須崎から来た女子中生(14)は「円行寺から高架へ上がるとき、すごく興奮した。普段は入明駅で降りるけど、今日は高知駅まで乗った」とうれしそうに話した。 佐川から通学の女子高校生(17)はホームに降りて「うわー!」と一声。「なんか高知じゃないみたい」。 安芸市から高知工業高校に通う牛窓真実子さん(16)は「わくわくした。一緒に乗ってた高校生も、『おーっ』って言いながら窓の外見てた。昨日まで通ってた古い線路が下に見えて、なんだか不思議な感じ」。 高知市旭天神町の踏切近くに住む西本洸希くん(5つ)は保育園を休んで、おばあちゃんと列車に乗った。「今日一番面白かったところはポイント!」と鉄道大好きぶりを発揮。「あっちも見たい」とおばあちゃんの手をひっぱって、駅内をうろうろしていた。
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