

日本の「宴」10年の歩み
「ロック・フェスティバル」西田浩/新潮新書=写真
日本のロックフェス—主に1997年、フジロックフェスティバルのスタート以降を俯瞰(ふかん)した好著。
サマーソニック、ウドーミュージックフェスティバルなども取り上げているが、圧巻は、やはりフジ。初回の台風による混乱。都会の真ん中での第2回を経て、新潟県・苗場スキー場にたどり着いたこのフェスに対する、ファンの「心の動き」の分析が面白い。
日本にロックフェスなどなかった時代の第1回。「大半の来場者が『これだけの規模のロック・フェスは最初で最後』といった感覚を持った」。2回目も「最後」という感じだった。それが3回目、こう変わったというのだ。「来年以降も続くのだろうな」。フェスを無理せず楽しむ空気が生まれた瞬間だった。
また、著者はフジの危うさも指摘する。主催者の「3日間通し券のみ、出演者は直前発表」という理想が、暴走にも映ると。「『わかる(理念を共有できる)人だけ来てください』という指向性をはらんだイベントなのだと思う」
確かに私もそう思う。それでも行きたくなるのがフジ。何より「行きたい」という気持ちにさせてくれるのだ、この本が。(編集部、OK電算機)
(2007/10/27)


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