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 僕らがクラブに行く理由 〜高知の「終わらない週末」の楽しみ方

 週末の夜の繁華街を歩いていると、どこからともなくダンサブルな音楽が漏れ聞こえてくる。どこだ?—耳を澄ませて源をたどる。

 そこはきっと、クラブ。

 ディスコからクラブへと名前が変わり、DJのスピンするミュージックが多様化しても、爆音とアルコールがあり、若い人々が集まっている場所であることに変わりはない。Boy meets girl,Girl meets boy−あなたが主人公の物語が始まるかもしれない、そんな場所であることも。

 終わらない週末の楽しみ方。そのさわりをお伝えしよう。あとはあなたが、爆音と熱狂を何とか封じ込めているその扉を開けるだけだ。

DJ Nozzy

 パーティーやイベントの日時、場所、出演するDJなどの情報が書かれている「フライヤー」を手に入れよう。CDショップや飲食店、バー、アパレルショップなどに置いてあることが多い。

 エントランス。代金を払うと手の甲にスタンプを押されたり、腕にリストバンドを巻かれる。支払いの証明。これを見せると、その夜は何度でも出入りできるパーティーやイベントがほとんど。

 代金には1ドリンク代が含まれていることが多く、その場合はドリンクチケットをくれる。バーカウンターで好きな時に、ドリンクを注文しよう。二杯目以降は現金でやりとり。

 フロアでは、一度はDJブース前に行ってみてほしい。こここそ、フロアの中で一番熱い場所。踊りまくりのクラウドにもまれるのは実に楽しい。人込みが苦手という人もぜひ、チャレンジを。

 踊り疲れたら、ちょっと一休み(チルアウト)。バーカウンター付近やフロアの奥の方に、スツールやソファなどがあるクラブも。腰を落として、ドリンク片手に友達と話し込んでOK。

 高知の「終わらない週末」を、ざっと振り返ってみる。

 八〇年代半ば。ディスコは「ワル」の匂(にお)いに満ちていた。重低音のリズムを反復する、黒いグルーヴのディスコサウンド。ペラッペラなユーロビート。ヤンキーやスーツできめた不良たち、けばけばしい化粧の女の子たちであふれていた。

 一見、怖い。でも、慣れると楽しい場所。それがディスコだった。

 九〇年代前半。「ワル」の匂いは薄まり、健康的な雰囲気が漂い始める。東京で着火した「巨大クラブ」と「お立ち台」。高知にもその流れは押し寄せた。ハウスミュージックとハイエナジーが鳴り響き、大学生、OLらが気軽に立ち寄れる場所に様変わりした。

 とはいっても、夜の街の娯楽の王座—カラオケ—には届かなかった。それは十年以上たった今も変わらない。

 それでも—。三月八日、元ピチカート・ファイヴの小西康陽、「夜ジャズ」の須永辰緒、歌姫akikoをゲストに迎えてのクラブパーティー「華麗なる週末」@B.B.cafe。約三百五十人が、ジャズを軸としたクロスオーバーミュージックに酔いしれた。

 近年、クラブミュージックは細分化している。大まかに言うとダンスクラシックス、ハウス、テクノ、トランス、ヒップホップ、R&B、レゲエ、ジャズ、そしてロック。さらに個々のジャンルが枝分かれしている。ハウスでもディープ、ラテン、ハード、テック…挙げればきりがない。

 ジャンルの細分化に伴う嗜好(しこう)の分散もあって、ジャズ・クロスオーバーの人気はまだまだ上位に食い込めずにいる。

 それでも—。「華麗なる週末」はにぎわった。

 きっと「音」だけではないのだ。「終わらない週末」の楽しみは。お祭り騒ぎの高揚感。それを求めて今夜も若者たちはクラブにゆく。

 元祖ミクスチャー解散 「13」 ラストも最強ライブ

13

 ハードロックやヒップホップなどさまざまなジャンルの音楽を食らい尽くし、爆音で表現するラウドミクスチャー。その高知の元祖にして最強のバンド「13(サーティーン)」が、三月三十日で十年近いキャリアに終止符を打った。

 これまでに発表した二枚のCDも素晴らしいが、彼らの本領はライブだった。

 ギターはワイヤレス。ライトウイングで、モニタースピーカーに上ってオーディエンスをあおりまくるなど「とにかく暴れまくる」スタイルのHisato。

 センターフロントでグルーヴィーに踊りながら、ここぞというところでジャンプ。きちっとオーディエンスに対峙(たいじ)し続けたボーカルのKenta。

 いろんなメロディーを奏でたり、スピード感と重厚感を行き来するリズムを支えたギターのUsui、ベースのKanichi、ドラムのTakuya。

 五人はハードコアよりも数多くの、どんなロックよりも凶暴で、ヒップホップよりも激しく踊る、オーディエンスを生み続けた。

 高知市のキャラバンサライでのラストライブも、いつもの光景を見せてくれた。激しいステージ。それに呼応し、一体感にあふれたフロア。ラスト、ステージにオーディエンスが流れ込み、大団円…。

 彼らのいなくなったステージ。照明のともったフロア。帰るタイミングをなくしていた人々は、その光景に「ある事実」をあらためて突き付けられたのだった。彼らを追っていくつものバンドが生まれたが、どのバンドも、彼らに追いつけなかった—という事実を。

 【DISC評】踊れるロック15曲

V.A.「オール・ザ・レイジ」

 ▼ V・A・「オール・ザ・レイジ」=写真 UKインディーレーベル「ドミノ」の、15バンドの「踊れるロック」が入ったサンプラー。アークティック・モンキーズもいいが、マーク・E・スミス参加のデジロックバンド、ヴォン・スーデンフェッド! ドミノと知らずに昨年、アルバム買ってたよ。(編集部、OK電算機)

 ▼  EL—MALO「NOFACE BUTT 2EYES」 祝、復活! 渋谷系裏番長、4年ぶりのアルバム。「破天荒でBPM速めでアッパーで無責任でハッピーな作品を目指した」という柚木の言葉通り、ごった煮ロックにスピード感をプラスした、昔から変わらぬオルタナティブ・ポップ!(編集部、猿惑星博士)

 ▼  ニュー・クリスティ・ミンストレルズ「ザ・ディフィニティブ」 60年代フォークグループのベスト盤。誰もが知ってる「グリーン、グリーン」は必聴! 生まれた日にママに言った/オレが出てっても泣かないで/どんな女もオレを止められない/世界をさまよいたいのさ(意訳)。ロックです!(元編集部、爪9センチ)

(2008/04/04)



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