|
![]() |
||
|
![]() 消えない宴の記憶 今夏こそフェスへフジロックフェスティバル、サマーソニック、香川のMONSTER baSH…。 今年も宴(うたげ)の出演陣が続々と発表され始めた。そわそわしている人。準備は進んでるかい? まだ行ったことのない、あなた。今夏こそ出掛けよう! ミュージックラバーズの心をつかんで離さない夏フェスの魅力を、フジロック全11回中7回“参戦”、1回は出演という形で実現させた男に聞いた。 四万十市のバンド、SWANの大谷泰吾(34)。 彼の言葉が教えてくれた。夏フェスはいや応なしに、見た者の心に深い“痕(あと)”を残し、中毒者(ジャンキー)にする、ということを。
「一九九九年、第三回のフジロックに行ったのが最初なんですけど、その時、本当に家出みたいだったんですよ。親の仕事手伝ってるんで、『すみません。三日間、家を空けます』って書き置きして」 —その時、二十六歳でしょ? 大人がそんなことを(笑)。 「しかも、突然決まったんです。フジロックの前日かな。DJパーティーに遊びに行ってて。酔ってDJのマイクつかんで『おまえら、これが本物の音楽って思うなよ。オレは明日からフジロック行ってくる』って叫んでた。行く計画なんかなんもしてないのに。勢いで。
—ハハハ(爆笑)。第一回、第二回は行こうとしなかったんですか? 「そのころ月一回、大阪へライブを見にいってたんですけど。(フジロック会場の新潟県)苗場は遠いし、何日もあって長いし。でもこの時は、迎えに来られて踏ん切りがついた」 —見たいアーティストがいたんじゃないですか? 「初日のグリーンステージ(フジロックで最も大きなステージ)のトリ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。ボーカルが出てきて『レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、フロム・ロサンゼルス、カリフォルニア!』って叫んで、大盛り上がり。
—それ、フェスらしいなぁ。 「知らない音楽でも、ちょっと遠ざけてた音楽でも、いいと思える瞬間がある。その瞬間に出合えると『オレ、広くなった』って感じられて。うれしくなって。そんな瞬間があちこちに落ちてるのがフェス。
大谷は、実に多くの「個人的フジロック名場面」を語ってくれた。会場でジョー・ストラマーとばったり出会い、一緒に写真を撮ったこと。フジロックを解散の場に選んだブランキー・ジェット・シティ。雨上がりで、会場から大量の蒸気が立ち上っていたこと。アンダーワールド。「ボーン・スリッピー」を待っていたら尿意を催し、持っていたビールの紙コップで用を足したこと…。 —すごく記憶してますね。 「残りますよ。帰ってきて、二カ月ぐらいはフェスを肴(さかな)にして酒が飲める。『あれ良かったよなぁ』って」
「そんな感じで、次の年も行きたくなるんですよ」 —高知空港まで行きながら、断念した年があったでしょ。 「地元の夏祭りに出なきゃいけないんですよ。それがフジロックへ行く最大の障害。二〇〇四年かな。夏祭りが台風で中止になって。よし、行くぞって空港着いたら、『やっぱりやることになった』って電話が」
「その前の年、〇五年。夏祭りは土曜なんですよ。その夏祭り終わって飲んでて、ひらめいた。フジロックの三日間って金、土、日じゃないですか。『オレは何、三日間にこだわっちゅうがぞ。日曜だけで十分楽しいやんか。行けるじゃん、日曜だけでええじゃん』って」 —そんなムチャな。 「酒飲んでない先輩に車運転してもらって大阪へ。そこから新幹線。友人四人も誘って。そいつらはタオル一枚、サンダルで行きましたよ。そこで見たのが土砂降りの中のニュー・オーダー。プライマル・スクリームに乱入したJ・マスキス」 —今年はどうします? 「夏祭りがずれたんですよ。ハハハハハ。近所のお兄さんが言いにきてくれましたもん。『泰吾、今年はずらしたきにゃ』って。僕のためにってわけじゃないやろうに(笑)」 【注目アーティスト】進化し続けるパンク AGGRESSION
パンクを、自在に操る五人組がいる。ライブの“主戦場”は高知市のCHAOTIC NOISE。ある日の本番前、会場でこんなささやき声が聞こえた—こいつら本気で音楽やってるよな。怖いくらいに—。 バンドの名前はAGGRESSION。 ベースのHIRO(37)は十五歳からバンドを始め、十代の終わりにはINSANE YOUTHで活躍。DISCLOSEをドラムとしても支えた、高知シティ・ハードコアのオリジナルの一人である。 INSANE時代。高知の街にコピーバンドがあふれる中、自作のパンクサウンドを通した。「自由に、自分で作ってやりたいじゃないですか」 AGGRESSIONの結成は一九九七年。幾度かのメンバーチェンジを経てきた。最初から変わらないのはHIROのみ。 が、そんなことは彼には関係がない。「バンドってメンバーみんなでやってくもの。人が変われば音も変わる。その時、持ってるものを出し切るだけ」 ライブが始まった。近年はパンクを軸に、ロックンロールを加味したサウンドを持ち味としている。 ドラムのNOBUO(39)の乾いたアタック。TAKASEX(30)のギターがうなり、ボーカルのSHIMAMURA(32)がほえる。 もう一人のギター、YOUSUCK(27)の言葉を思い出す。「このバンドにいると、未来へのプロセス、進化を味わえる」。今、ここにしかない音。明日には、もう、変わってしまいそうな—そんなパンクサウンドを五人で作り上げていた。 (2008/05/02)
|
|
| サイトマップ|プライバシーポリシー|ネット上の著作権|高知新聞社|お問い合わせ|ホーム | |
| Copyright @2007 The Kochi Shimbun. All Rights Reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。 すべての著作権は高知新聞社に帰属します。 |
|