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 世界を変えたい男の叫び【Bookレビュー】

「叱り叱られ」山口隆/幻冬舎

 【「叱り叱られ」山口隆/幻冬舎】世界を音楽で変えようと「新しき日本語ロックの道」を進むサンボマスター・山口隆と、日本のロックを切り開いてきた山下達郎、大瀧詠一、岡林信康、ムッシュかまやつ、佐野元春、奥田民生—6人の対談。

 本書で彼らは何を語り合っているか。それは、音楽にまつわるさまざまなことがらの「変革」である。

 岡林は、日本人であるわたしたちの「音楽のリズム」について、西洋ロックを借り続けるままでいいのかと問う。佐野は、音楽産業の営業色が強い選曲しかしていない今のFMラジオに疑問を呈し、音楽批評については「音楽家同士の批評」を提案する。

 山下は、音楽を奏でる者と聴く者の関係を語った。

 「今はカルチャーというのが、人間の表現行為であると同時に利権行為でもある。特に映画とかCDとか大量頒布するものは莫大な利益を生んで、それがさらに付帯利益を生み出すマーチャンダイジングとかそういうものまでどんどんかかわってくるんだよね」

 その上で、カウンターであるサブカルチャーについて「きちっと続けるためには、かなりの精神力と、その人を愛してくれるスタッフ、過度なカルト観や偏見のないオーディエンスのサポートが必須だろうな」。

 山口も思いを吐露する。

 「そういうことのためにロックン・ロールがあると言って何が悪いと。僕らの上の世代だと、もちろん僕と同じような思いの人はいたかもしれないけれど、そういうことを恥ずかしいという空気があった。今もそういう空気がある」

 頭の「そういうこと」が指すもの。それは、愛と平和。世界を変えたい男の叫びは人々に通じるのか。

(2008/05/24)



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