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![]() 亡き盟友とともにフェス5月4日、大豊町のゆとりすとパークおおとよで野外フェス「キイロノセカイ トヨロックフェスティバル」が開かれた。高知や徳島のバンドなど28組が出演。観客を沸かせた。フェスの様子は写真で感じてもらうとして…記事ではインサイドストーリーを伝えようと思う。どうしようもなくこのフェスをやるしかなかった、男の話を。 山の早い夕暮れの中、高知市の4ピースバンド、smart shopがトリを飾った。派手に動き回るボーカル・ギターの西村卓(35)=メーン写真ステージ上。トヨロックの代表者である。
一昨年、フォトスタジオを退職し、カメラマンとして独立。「動きやすくなった」と夢を企画書にまとめ、町などに持ち込んだ。企業や個人から寄付を募るなどして費用を工面。バンドなどに出演交渉し、開催にこぎつけた。 ただ—。オーディエンスをあおる西村の横に、本来いるべき盟友がいなかった。 ギターのチャーリーこと門田安広。正確な早弾きのテクニシャン。ギターショップも経営し、ギターをこよなく愛した彼が今年一月、三十七歳でこの世を去っていた。
「兄ぃ(チャーリー)を大豊に連れていく」 西村がステージに置かれていた黒いギターを抱えた。三週間ほど前に手に入れたばかりの、実にいい音を出すレスポールタイプ。 チャーリーが作ったギターだった。 この、黒のギターだけではなかった。チャーリーの遺品である金色のギターを土佐清水市の両親がこの朝、会場まで届けてくれたのだった。西村は「自分で来やがったな」と笑った。そして、迷った。黒を弾くかそれとも金色か…「やっぱりこの金色は兄ぃが似合うな」と黒を選んだ。 ステージに上がる前。小さな山のような会場内を、西村は責任者として見回った。 メーンステージともう一つの小さなステージ。スタッフ十数人が鉄パイプやビールケースなどで組み立てたものだが、そこでは午前十時から、仲間のバンドや地元中学校の吹奏楽部が次々と熱のこもった演奏を披露していた。
この時が永遠に 続くかもしれない 今までも明日も 君といるから (中略) START START これから始まる 新しい日が来た 二人のSTART 西村とチャーリー二人の、この場に集ったすべての人々の、トヨロックから始まる未来の賛歌のようだった。 ♪
パンフレットを手に、会場内を楽しそうに回っていた年配の男性。DJフロアで体を揺らしていた親子連れ。設営を手伝ってくれた、ロックには詳しくなさそうな地元の大工もステージを見ながら言った。「おれも楽しいよ」 「仲間のバンドやDJ、スタッフ。大豊町の人々。本当にいろんな人の支えで何とかやれたな」 別の思いもよぎった。 「兄ぃも助けてくれたのかな」 【注目アーティスト】響くエフェクトギター dacota apartment
一九八〇年十二月八日、ニューヨーク。ジョン・レノンが自宅の高級マンション前で、五発の凶弾にたおれた。ジョンの墓碑のように有名なそのマンションの名前を、バンド名にしている高知の四人組がいる。 dacota apartment。 名は体を…彼らの場合は「表さない」。二十八年前にジョンが止められた地点から、はるかに進化を遂げたサウンドが持ち味だ。 べー・イトウ(29)のプログレ色強いベース。ボーカル・ギターのコウイチ・ヨシカワ(26)が英語詞の歌を重ねる。楽曲は「全員、ブラーが好き」というようにポップ感も持ち合わせ、フランツ・フェルディナンドばりの踊れるロックナンバーも持っている。 何より、ケンタ・コマツ(26)のギター。足元にずらりと並ぶエフェクターで、時にスペイシー、時にノイジーな、エレクトロニカサウンドに作り変える。「これもギターの音。どんな音でもギターで出したい」 結成から三年ほどたった一昨年、「変わったやつらがいる」「高知発のUKロックだ」と注目を集め始めた。昨年は県内外で多くのライブをこなし、力を蓄えた。が、昨年九月に活動休止。ドラマーが脱退してしまった。 新たにマーズ・ヴォルタ好きのドラマー、イットー(25)を迎えて再始動。その初舞台が五月四日、大豊町での野外フェス「キイロノセカイ トヨロックフェスティバル」だった。 変わらぬコマツのエフェクトギター。復活の号砲が濃い緑の山に、五月晴れの空に響き渡った。 【DISC評】スカコアのパイオニア
LITTLE TEMPO「山と海」 日本を代表するトロピカルダブのビッグバンド、3年ぶりのスタジオ盤。スチールパンの美しい音に導かれるリゾートミュージック。しかし、ゆる〜いだけじゃない!! スカ、レゲエ、ダブをミックスしたサウンドが深く、心地よく響くんです。(編集部、猿惑星博士) ポーティスヘッド「サード」 復活、ブリストルサウンド!! 4月ドロップの10年ぶりのアルバムは激しいエレクトロニカもあるが、基本は変わらずゆるいダビーな曲。女性ボーカル・ベスの憂いを含んだ歌も健在。お薦めは5曲目「プラスティック」。ゆらゆら揺れて踊れるが、それよりも、泣く。(編集部、OK電算機) (2008/06/06)
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