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LOVERS
 LOVERS M1「LIVE IN THE MOMENT」 若手エモーショナルハードコア5人組。スピード感あるラウドなサウンドメッセージ性強い日本語詞の絶唱!
THE BROKEN HEARTS CLUB
 THE BROKEN HEARTS CLUB M2「ナンシーはゴキゲンナナメ」 オールディーズテイストのご機嫌なロックンロール。ただ、歌詞はパンク精神。薄汚れた世界に中指を立てる。
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 the soundcoils M3「真空管に恋をした十代最後の夜」 タイトでダンサンブルなリズムにのるメロディー…それを紡ぐのはVo.廻角拓司の哀調を帯びた伸びのある声。
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 esow M4「Miiilon Story」 弥生とのぞみの女性ツインボーカルが実にエモーショナル。重圧さと繊細さを併せ持つギターが彩りを添える。
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 ACT FOR FRONT M5「D.Q.F」 ラウドロック5人組。重圧なデスボイス、荒々しさときめ細かさを行き来するサウンドの美しいミクスチャー。
THE BIG FAN LADY
 THE BIG FAN LADY M6「ミッドナイトエンジェル」ジャングルビートとワウギター、張りのある前田祐司の声…サウンドと歌詞が見事に両立したロックンロール。
ひぐらし
 ひぐらし M7「ひぐらし」 熱いロックバラード。青春をテーマにした文学的歌詞をシャウトではなく、ねっとり歌い上げるVoがマッチ。

10年代のシーンに一撃

 高知市相模町のライブハウス、キャラバンサライが2月、コンピレーションアルバムをリリースした。ゼロ年代後半、地道にサライで活動してきたバンド7組の、個性的な7曲を収めて。

 ニューカマーにスポットを当てたり、新ジャンルを確立するといった「ゼロ年代との違い」を打ち出すものではない。でも、これは2010年代の始まりを告げる号砲だ。「このCDから変える」「新時代、シーンを変える」という思いのこもった—。

          ■□■

 20代前半〜30代前半の高知のバンドによる、実にレパートリーに富んだ7曲。いずれも音源化されていないナンバーで、新鮮だ。

 直球ロックンロール(THE BROKEN HEARTS CLUB、THE BIG FAN LADY)、パンキッシュなロック(ひぐらし)、ラウド(ACT FOR FRONT)、ハードコア(LOVERS)、エモ(esow)、強靭(きょうじん)なグルーブを持った歌物(the soundcoils)。

 「ジャンルはバラバラにしたかった。聴く人に『高知にもいろんなバンドがいるんだ』と知ってほしかったんで」とは、今回のコンピを企画したサライのPA担当、長瀬弘宣(34)。

          ■□■

 2009年夏。長瀬が「熱い連中」と呼ぶ実力派バンドに声を掛け、サライで録音を始めた。ボーカル、ギター、ベース、ドラムなど各パートを別々に録(と)っていく。あっさり終えた3ピース。一方で、100回の駄目出しを受けながら、「やります、やります!」と演奏を繰り返したドラマーもいた。

 きっかけは「何かないかなーと突然、思いついた」。えらく、あっさりした言葉である。が、実は、切羽詰まっての「何かないか」だった。

 長瀬が苦笑する。「最近、話をすると、いつも同じこと言ってしまうんですよ。近年の音楽不況の話を」。CDは売れない、バンド数は減少、ライブの動員数も落ちてきている、という現状のことだ。

 サライに入った8年前を振り返ると…あのころは、全国をツアーして回るバンドが次々とやってきた。高知のバンドの出演申し込みも殺到した。「今月は無理やき、来月にしいや」と言ってさばくほどに。いつものライブで120〜130人、ビッグイベントとなると300人以上のオーディエンスが集まり、彼、彼女たちの自転車でサライの駐車場はあふれた。が、今は…。

 現状を変えたい。何かないか。

 それがコンピだった。「バンドとライブハウスが一緒に何かをやることが大事だと思うんです。では何をするか…普段はライブハウスに来ない人に高知の音楽を届けること、ではないかと。コンピ1枚で大きく変わるとは思ってないですが、現状へのパンチというか…一撃にはしたい」。1000枚をプレス。DUKEショップ高知店や県内のTSUTAYA各店などで扱ってもらうようにした。

 さらに夢は膨らむ。「今回のコンピは、赤字ということもなさそうだし。第2弾も出せそうな気がする」と長瀬。「同じバンドを出したくない。『まだまだいますよ』という感じでいきたい」

 バンドには困らない。カリビアン、ラウド、メロコア、アコースティック…いろんなサウンドを武器に頑張っている若者たちが、数多くいる。「次のコンピにはぜひ自分たちも!」という3ピースも。皆、思いは一緒だ。「低迷するシーンを変えたい」

 2月27日、サライで行われたコンピのリリース記念ライブ。トップバッターのLOVERSは叫んだ。「前は良かった、昔は盛り上がっちょった…そんな言葉は、もうえいき。オレらには今しかないがやき。今回のコンピを、今日を、ターニングポイントにせんと」

 PAブースから彼らを見守りながら、長瀬は思う。

 若者たちのそんな意気込みにもこたえたい、と。



 豪華メンバーで再出発 リトレイン

 バンド名の頭に「RE(再び)」を付けた。リトレイン。再び走り始める列車、という意味で。プラスサムのボーカル&ギター、西岡俊(29)。MANA SLAYPNILEのベース、沖雅仁(28)。フォルティッシュ アカンパニーのドラマー、渡部健太郎(21)。県内外を沸かせてきた彼らが、解散や脱退を経て結集したのだから。

 「(脱退で)全国へ行くぞという思いが中ぶらりんになって…」(渡部)。

 「2008年春からライブもせず、その年の末に解散。このままフェードアウトか…と思ってました」(沖)。

 そんな2人に09年秋、西岡が声を掛けた。「1回きり」と集まったが、11月に名前も決め、活動を続けることに。「能力あるメンバー。一緒に新しいものがつくれそうな気がした」(西岡)。目指すのは、聴く者にきちんと伝わる歌詞とロックの融合。彼らが元いたバンドの進化形だ。

リトレイン  今年2月、MANAの新ギターに予定されていた西村一浩(27)が加入。3月12日夜、高知市の中央公園で行われた「土佐のおきゃくロックフェス」に、4人で登場した。

 3人でなく4人…その意味がバラード曲「あすなろ」で明らかになる。西岡がボーカルに専念し、沖がキーボードに。西村がギターをベースに持ち替え、渡部のドラムが刻むしっとりとしたリズムに彩りを添える。ギター2本の4人組スタイルから、曲によってトランスフォームが可能となったのだ。

 ライブ後、4人は言った。「曲作りも演奏も、もっと上にいける」。再出発という名の列車が次第に加速してゆく。

 

 10年代も響く轟音

dry as dust「Good Morning」

 dry as dust「Good Morning」=写真

 北海道出身のギターロック4人組が、残響レコード主宰のkonoをプロデューサーに迎えて放った2nd。ギターは歌う。2本のユニゾンで、1本のアルペジオで。その優しい音が轟音(ごうおん)に変わった瞬間、「残響的!」と納得。2010年代もこの音が鳴り響く。   (編集部、OK電算機)

 サカナクション「kikUUiki」 ロックとクラブミュージックを融合したサウンドで注目されるバンドの4th。軽快なダンスチューン「アルクアラウンド」、インスト「21.1」、ロック組曲「目が明く藍色」…多彩な手法でポップとアンダーグラウンドを行き来するこのアルバムは、深い音楽世界への入り口。   (編集部、猿惑星博士)

 イット・バイツ「イッツ・ライヴ」 看板ボーカル&ギターの脱退を乗り越え再結成した彼らが、昨年のライブをアルバム化。メロディアスなブリティッシュロックに時折聴かせるプログレの遺伝子は不変。10分を超える新旧の曲も安定していて、成熟した「今」が閉じ込められている。   (南国市、虹の欠片)

 編・集・後・記

 コンピレーションばやりです。音楽業界は次々と、過去にヒットした曲、安心して聴ける曲を集めてリリースしています。そうしたコンピが不況下でも売れたため、2匹目、3匹目、4匹目…とさらなる��ドジョウ�≠�狙って。

 SONICは2カ月続けて、高知発のコンピを特集しました。3月号ではKOCHI CITY HARDCORE10組の最新作を集めたもの。今号では、キャラバンサライに集う7組の未発表曲をまとめたもの。

 この2枚に詰まっているのは、業界の出しているものとは違います。多くの人が知らない楽曲を、コンピという形でまとめて「高知のシーンの入門編」として届けたい、高知にもこんな素晴らしい音楽があるということを知ってほしい…そんな熱い思いです。

 2010年度がスタートしました。SONICも2枚のコンピに負けないよう、これからも高知のロックを伝えていこうと思います。(OK電算機)


(2010/04/02)



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