

KAZ ロックの今を語るCARAVAN5〈前編〉

高知市内にある二つのライブハウス=キャラバンサライとBAY5 SQUAREが共同で、ライブイベント「CARAVAN5」を12日、BAY5で開いた。ライブだけでなく、トークショーもあった。アメリカ・ロサンゼルス在住の世界的音楽プロデューサー、KAZ UTSUNOMIYA(59)。1970年代半ばからクイーンと親交を持ち、その後、ザ・クラッシュ、ニルヴァーナなどを手掛けてきた彼が「バンドへのアドバイス」を語った。
気にするのは…
「バンドを発掘する時のプロの目線とは?」。高知のバンドマンからの質問に、UTSUNOMIYAはこう答えた。「バンドを見にいく時は(リスナーの)みんなの代表。今、みんながどんなサウンドが聴きたいかを大切にします。その時、一番気にするのは、曲」
彼が、初めてニルヴァーナと出会った時のエピソード。その夜見たライブは「聴いてられないくらい演奏が下手」だった。しかし、家でカート・コバーンがアコースティックギターで奏でた曲が良く、ともに仕事をすることにしたという。
ライブの重要性
「スタジオでの練習も大切だが、人前でやることがもっと大切」。UTSUNOMIYAはライブの重要性も説いた。「演奏はライブを重ねるとうまくなる」「お客さんの反応をしっかり見ていてほしい。5万人も1万人も、10人も5人も同じ。5人全員を説得することの方が難しいぐらいだ」
ライブの重要性は、今の音楽産業の現状という観点からも指摘した。
「CDが売れない。だから、ライブができるバンドが重要視されている」
配信時代の功罪
CDが売れない。が、「今、一番面白い時代」とも。MySpaceやYouTubeなどインターネットによってアーティスト自ら、自作の音楽が発信できるからだ。
「昔はバンドより、レコード会社が力を持っていた。マーケティング力、宣伝力。レコーディングも会社を頼るしかなかった。それが今は、バンドが力を持ち始めた。自分で録音し、自分で発信できるようになった。健康的な時代。高知のバンドも、いいメディアをうまく使ってほしい」
デメリットが一つあるという。「(レコード会社の社員が)いいバンドを探すのに一日中、コンピューターの前で座ってる。本当は足を使って、生でバンドを見にいった方がいい時もあるのに」。ただそれも、「コンピューター」と「足」のバランスが取れてくるという。「ライブが重視されてるから」
(2010/6/26)


|