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県内初の高架下街路市
「キン、キン、キン、キン」って、近くで遮断機が鳴ることがあるから、金曜市っていうわけじゃないよ。ぼく、金曜いっちゃんは線路のすぐ近くに住んでいるんだ。
愛宕商店街の南北の通りを北へ向かうと線路にぶつかる。ぶつかったとこを西に曲がると、金曜市が立ち並んでいる。道路を挟んで北と南の両側に店は分かれている。
北側の店の上にJR土讃線の鉄道高架橋がそびえる。自慢じゃないけど、高知県内初の「高架下街路市」さ。
金曜市は、昭和元年から始まってるんだが、現在地に移転したのは昭和27年(1952年)。愛宕商店街と一体となって、にぎわってきた。
しかし、市が開かれている市道は、鉄道高架事業の対象区間になってしまった。平成12年度(2000年度)から平成16年度(2004年度)までが工期。移転が問題となり、店主たちは市の消滅の危機にさらされたんだ。
ぼくも住む場所がなくなるんじゃないかと、ひやひやしたよ。関係者の尽力で、2002年の4月に約100メートル西隣の仮移転先で、営業できることに
なったんだ。うれしかったねえ。

【写真説明】頭上に鉄道の高架がある金曜市。なじみのお客さんが多い
店主たちも大喜びで、同年4月5日には、店の品を持ち寄って「移転安売りセール」をしたんだ。イチゴが1パック100円という安さ。市価の5割から7割引きだったため、お客さんもほくほく顔で、飛ぶように売れていたよ。
高架が完成してからは、現在の形で営業を続けている。金曜市のお客さんもなじみ客が多いね。近所の人たちが、それぞれ個性的な店の品物を求めて集まってくる。
ぼくがこの前、高架にぶらさがりながら遊んでいると、金曜市の取材をしに来ていた地元の新聞社の人がいた。
彼は店の人に話を聞こうとしていたんだが、店主さんは高齢で耳が聞こえにくい。すると、通りがかりのなじみのお客さんが「おばちゃんとの応対は慣れちゅうき。私が聞いちゃお」と気軽に仲介役を引き受けていた。
「おばちゃん、この店のお勧め商品は何いー」って一生懸命聞いている仲介役の彼女を見て、ぼくはちょっと胸が熱くなったよ。
金曜市の良さはここにあるのさ。ぼくがここが住み心地がいいって感じるのも、こういうあったかい人と人との交流を半世紀余り見続けてきたからなんだ。
みんなも、ここのおばちゃん、おじちゃんたちと、友だちになってほしいな。ここのなじみになってくれる人は、もちろんぼくとも友だちになれるよ。
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